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不倫研究サークル
第9章 ハプニング
フロントでキーを受け取って、女中さんらしき女性の案内で部屋へと向かったが、僕は相変わらずオドオドしていた。

「すごいな、陽菜は慣れてるんだな、こういうの」

陽菜は、僕の言葉には耳も貸さず、女中さんの後に続く。

ふ~、と陽菜がため息をついたようだった。


「こちらでございます」

女中さんが案内してくれたのは、8畳ほどの和室だった。

簡単に部屋の備品や設備を説明すると、そのまま女中さんは帰っていく。


(あれ? 僕の部屋は?)

「あの……、陽菜、部屋って一つなの?」

ヤレヤレといった表情で陽菜は目を細める。

「当たり前じゃない。ビジネスホテルじゃないんだから、一人部屋なんてないわよ」

「えええーーー! ちょ、一つの部屋で一緒に寝るのか?」

「そうよ、何か問題ある?」

「いやいやいやいや、問題おおアリだろ」

ヤレヤレといった表情で陽菜は更に目を細める。

「も~~、この期に及んで、うろたえないでよ。そんな事だから……」
と言いかけて、陽菜は口を濁した。

「暗くならないうちに買い物に行くよ!」

一旦、部屋を後にして、僕たちはフロントで教えてもらったスーパーへと向かった。



そこは、スーパーというより、小さなショッピングセンターだった。

「ねえ、圭」

「ん?」


「これ、どうかな?」


「そ、それは、JCには派手過ぎないか?」

田舎のスーパーだけあって、下着も特にコーナーを分けるでもなく、男性用の下着と一緒に売っていた。

そこでわざわざ、陽菜は下着を掲げて僕に感想を求めている。


最近、気づいたことがある。
陽菜は、わざと際どい事をして僕の反応を楽しんでいるのではないか?


「フフフ、圭ってホント、クソ真面目だよね」

「これにしよ~」


陽菜は楽しそうに下着を買い物かごに入れた。




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