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不倫研究サークル
第11章 リケジョ
月曜日。

僕は昼休みに食堂で佳澄と待ち合わせる事になっていた。

初めて、女の子に友達を紹介してもらえる。こんなシチュエーションを体験することになろうとは、思ってもみなかった。

僕は今、とてもドキドキしている。期待感が半端ないのだ。

(石井さん、何処かな?)

僕は、キョロキョロと周りを見渡していたが、一向に現れる気配がしない。

どうしたのだろう? と思い、彼女にメッセージを送ってみた。

>森岡です。食堂にいます。石井さん、何処ですか?


「すみません、ここ、空いてますか?」

突如、声をかけられて僕は声の主の方へ振り向く。
トレイにうどんらしきドンブリを乗せた女子学生が立っていた。

「あ、どうぞ」と、僕が返答すると、女子学生はブスっとした表情で僕の向かいの席に座った。

(一年生かな? 随分と背が低いが……)

見たところ、身長は145cmくらいだろうか? 小学生みたいだ。

それに、化粧っ気のない顔に髪の毛も中途半端な長さにバッサリとカットしてあり、何よりも目を引くのは、度の強そうなメガネ。

しかも、チビのくせに、やたらと巨乳だ。

(こ、これは……、僕のイメージにピッタリの”リケジョ”だ!)


「何か?」

「へ?」

「アナタ、さっきからワタシのこと、ジロジロと見てますよね?」

うどんの湯気で曇ったメガネの奥の冷たい瞳がキラリと光った気がした。
それに、鼻水が垂れてる。

「あ、いえ、そういう訳では……、ちょっと友達を探していて」

「なるほど、アナタ、ワタシを見てたのではなく、友達を探してたのですね?」

「ええ……」

「友達で、ワタシも思い出しました。 ワタシも友達とここで待ち合わせていたのでした」

「はあ……、うどん、食べてますが?」

僕の”普通”がおかしいのか? 普通、友達と待ち合わせているなら、先に食べたりしないだろう。変な人だ、と思ってしまう。

「ワタシは実験で忙しいのです。 だから、時間は有効活用しなければいけません」

そう言うと、女子学生はズルズルとうどんをすすった。

(やっぱり、変な人だ。早く石井さん来ないかな?)

逃げ出したくなっていた頃、声がかかった。


「あ、いたいた。 ごめね~森岡君、遅くなっちゃって。

あれ? 先輩も一緒なの?」




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