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不倫研究サークル
第12章 女社長
見覚えのある3階建ての建物の階段を上り、2階の事務所らしき部屋に入る。
「宮下さん……、また鍵もかけずにでたのですか?」
綾乃が不用心だと言う事は、以前、来た時に岸本も言っていたが、そのうちドロボウに入られるのではないかと心配になる。
「取られて困るものなんて、何もないのよ。 ここは。 データもアプリも全てクラウド上にあって、パソコンはネットに繋ぐことができれば良いだけの安価なものだし、現金、貴重品も類も何も置いていないわ」
確かに、この事務所の殺風景さは、度を越しているとさえ思える。
「えーと、川本さん。 仲が良いのはいいけど、そろそろ森岡君の腕を開放して、そちらのテーブルに座ってもらえるかしら? パラメーターへの記入をお願いしたいの」
愛莉が、いつまでも僕と腕を組んでいるのに業を煮やしたのか、綾乃はノートパソコンを持ち出しながら、愛莉に着座を促した。
愛莉は素直に応じる。
「私が独自に開発したパラメーターを設定することで、よりクライアントに適した家庭教師を斡旋でようになっています。 だから、川本さんも正確に記入して頂戴」
「川本さん。 パラメーターは結構な量があって、2時間くらいかかるんです。 僕も待っていますから、自分のペースでやってください」
「ありがとう、森岡君」
愛莉は、僕を見上げてニコリと笑った。少し上目遣いになると、益々可愛い。
僕は、思わずデレてしまう。
「森岡君」
綾乃の声が冷たく響いた。
「ちょっと、良いかしら?」
「はい。 あ、川本さん。 少し宮下さんと話があるから、続けていて」
僕は、愛莉に一声かけると、綾乃に連れ立って事務所の物陰へと入る。
愛莉は、チラリと一瞥しただけで、パソコンに向かって入力作業を続けていた。
「森岡君。 私が今、どんな心境か、分かっている?」
「はい、約束を反故にしてすみませんでした」
「そうよ、私、森岡君が誘ってくれるのを待ってたんだから」
綾乃はチラリと愛莉の方に目をやると、彼女から隠れるように、身体を僕に寄せてきた。
綾乃の高級そうな香水の匂いが、近くなる。
「宮下さん……、また鍵もかけずにでたのですか?」
綾乃が不用心だと言う事は、以前、来た時に岸本も言っていたが、そのうちドロボウに入られるのではないかと心配になる。
「取られて困るものなんて、何もないのよ。 ここは。 データもアプリも全てクラウド上にあって、パソコンはネットに繋ぐことができれば良いだけの安価なものだし、現金、貴重品も類も何も置いていないわ」
確かに、この事務所の殺風景さは、度を越しているとさえ思える。
「えーと、川本さん。 仲が良いのはいいけど、そろそろ森岡君の腕を開放して、そちらのテーブルに座ってもらえるかしら? パラメーターへの記入をお願いしたいの」
愛莉が、いつまでも僕と腕を組んでいるのに業を煮やしたのか、綾乃はノートパソコンを持ち出しながら、愛莉に着座を促した。
愛莉は素直に応じる。
「私が独自に開発したパラメーターを設定することで、よりクライアントに適した家庭教師を斡旋でようになっています。 だから、川本さんも正確に記入して頂戴」
「川本さん。 パラメーターは結構な量があって、2時間くらいかかるんです。 僕も待っていますから、自分のペースでやってください」
「ありがとう、森岡君」
愛莉は、僕を見上げてニコリと笑った。少し上目遣いになると、益々可愛い。
僕は、思わずデレてしまう。
「森岡君」
綾乃の声が冷たく響いた。
「ちょっと、良いかしら?」
「はい。 あ、川本さん。 少し宮下さんと話があるから、続けていて」
僕は、愛莉に一声かけると、綾乃に連れ立って事務所の物陰へと入る。
愛莉は、チラリと一瞥しただけで、パソコンに向かって入力作業を続けていた。
「森岡君。 私が今、どんな心境か、分かっている?」
「はい、約束を反故にしてすみませんでした」
「そうよ、私、森岡君が誘ってくれるのを待ってたんだから」
綾乃はチラリと愛莉の方に目をやると、彼女から隠れるように、身体を僕に寄せてきた。
綾乃の高級そうな香水の匂いが、近くなる。