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不倫研究サークル
第3章 初めてのカノジョは美少女
講義が終了し、次の教室へ人の移動が始まると、別の男子学生が一人、僕たちへ近づいてきた。
この教室にいたという事は同学年だろう、しかし見るからに洗練された都会の男子風だ。

「ねえ、君って可愛いね。もうカレシとかいるの?」

(ナンパだ! ナンパだ! 初めてヤラセでなく他人がナンパしている場面に遭遇した!)
僕は、自分がナンパしている訳でもないのに、思わずドキドキする。が……

「あ、あの、この人がカレシです」

(ええーー? またしても!)僕は、恐る恐るナンパ野郎の顔を見る。


ナンパ野郎は、頬をヒクヒクさせていた。

「うそ……だろ……」

「ごめんささい、わたしたち次の講義があるので。行こう! 圭君」
そう言うなり、小梢は僕の手を握ると教室の出口へ急いだ。

「あ……へ……あはは……」
ナンパ野郎は、信じられないと言った表情で呆然と立ちすくんでいた。

(嘘とはいえ……僕のような男が、雪村さんのカレシで良いのだろうか?)


小梢の手は小さくて柔らかかった。

(女の子の手って、柔らかい……)




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