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不倫研究サークル
第6章 一触即発
「もう~、なんなのよ。ワタシ帰る」

陽菜は不満気に口を尖らす。そんな彼女を、僕はなだめるために、またもその場しのぎの事を言ってしまった。

「今度また埋め合わせするから、今日はデートと言いながら陽菜の勉強へのモチベーションを高めるのが目的だから」

我ながら狡い言い方だと思う。しかし、他に上手い回避方法が思い浮かばなかった。

「ホントに? 今度、誤魔化したら許さないからね」

「う、うん。約束するよ……、必ず埋め合わせする」

「それと陽菜」

「なに?」

「腕を組むのはやめてくれないか」

「なんで?」

陽菜は先ほどから僕の腕に手を絡めて歩いている。これではまるで恋人同士だ。
しかも、どう見ても子供でしかない陽菜が、こうして腕を絡めているのは非常にマズイ。

「その……、大人の事情というものがあるんだ」

「オトナって、圭だって子供じゃない」

「日本の法律では成人だ。選挙権もある」


「それで、どんな事情があるの?」

「成人している男がだな、JCと腕を組んでると、淫行しているのかと思われるだろ」

「してるじゃない、キスを」


「ば、ばか! あれは、違うだろ」


「何が違うの? キスしたじゃない」

(あわわ、こんなところで、キスしたとかしないとか言われるのはマズイ)


「あ、あれはだな、授業の一環だ。 君がほら、『恋愛って何なの?』って聞くから」

「ふ~ん、そうなんだ……、そんなつもりでキスしたんだ」

マズイ、イヤな予感がする。




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