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不倫研究サークル
第2章 人妻の誘惑
「ふ、不倫ですか?」思わず声が裏返ってしまう。

「そうだ。社会学の観点から、不倫をテーマに研究しようというサークルだ」
なぜか田沼は腕組みをして偉そうにウンウンと頷いている。どうやら彼の癖のようだ。


「いきなりだが、森岡少年、君は童貞かね?」
いきなりすぎるよ、不倫と童貞に何の関係があるのか意味わからない。

戸惑っている僕に、田沼が続けた。

「なにも恥じることはない。誰しもが初体験を済ませるまでは童貞なのだから」

「い、一応、童貞です」
そもそも、初体験どころか女子と付き合った事さえない、僕は『年齢=彼女いない歴』なのだから。


「やはりな。そして君は、東京で彼女を作ってイチャイチャしたくて、この大学に入ったのだろう。しかも君は、『年齢=彼女いない歴』ではないのか?」
田沼が、どうだと言わんばかりに指でL字型を作り、僕を指さした。これが漫画なら、<ビシッ>という効果音が挿入されていることだろう。

「うっ」図星をつかれて、言葉に詰まる。

「どうやら図星のようだな。だったら話は早い」
満足そうに田沼がまたもウンウンと頷く。


「森岡少年よ、彼女を作るにはどうしたら良いと思う?」

「そ、それは、女の子と仲良くなって・・・・・・」
そんな事が分かっていれば、年齢=彼女いない歴になんてならない。

「女の子と仲良くなるにはどうすれば良いか、また、仲良くなっても、その先は?」

「分かりません・・・・・・」消え入りそうな声で答えるのがやっとだった。




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