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体育倉庫のハイエナ
第1章 1
一方、これから野獣たちの餌食になる、哀れな“獲物”とは、言うまでもなく奈津子のことだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
肩の辺りで真っ直ぐに揃えた、ボブ・ヘアー。
同じく前髪も、眉毛を隠したところで一直線に切り揃えている。
そんな髪型が小さな丸顔と、そこに収まる幼気な顔立ちに、とてもよく似合っている。
動物に例えてみるなら、きっとタヌキになるだろうか――。
円らな瞳が可愛らしくて、高校一年生よりもずっと幼い、ともすれば小学生の女の子のように、その顔立ちは見える。
細身ではないが、決して太っている訳でもない体つきも、どこか可愛げに溢れている。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
きっと無邪気で、とても素直な女の子なんだろうと、僕は思う。
だから奈津子は、今朝僕が彼女の下駄箱に忍ばせておいたラブレター――
『初めまして、僕は三年の○○ヨシタカといいます。突然ですが、僕は芹沢さんのことが好きです。もし出来れば、僕と付き合ってもらえませんか?今日の放課後、体育倉庫の前で待っています。そこで返事を聞かせて下さい。』
――を真に受けて、三匹の”野獣”が待ち構えているとも知らずに、その野獣たちに犯されるとも知らずに、のこのことここへ来てしまったのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
肩の辺りで真っ直ぐに揃えた、ボブ・ヘアー。
同じく前髪も、眉毛を隠したところで一直線に切り揃えている。
そんな髪型が小さな丸顔と、そこに収まる幼気な顔立ちに、とてもよく似合っている。
動物に例えてみるなら、きっとタヌキになるだろうか――。
円らな瞳が可愛らしくて、高校一年生よりもずっと幼い、ともすれば小学生の女の子のように、その顔立ちは見える。
細身ではないが、決して太っている訳でもない体つきも、どこか可愛げに溢れている。
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きっと無邪気で、とても素直な女の子なんだろうと、僕は思う。
だから奈津子は、今朝僕が彼女の下駄箱に忍ばせておいたラブレター――
『初めまして、僕は三年の○○ヨシタカといいます。突然ですが、僕は芹沢さんのことが好きです。もし出来れば、僕と付き合ってもらえませんか?今日の放課後、体育倉庫の前で待っています。そこで返事を聞かせて下さい。』
――を真に受けて、三匹の”野獣”が待ち構えているとも知らずに、その野獣たちに犯されるとも知らずに、のこのことここへ来てしまったのだ。