この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第2章 【彼ら】

「…私もどうしても都合がつかず、ご葬儀参列できませんでした。申し訳ありません。おばあ様には姉夫婦が長い間面倒を見て頂き、ありがとうございました」

流星さまに続き、頭を下げてくれた男の人。
彼の名前は、村上麗(むらかみ れい)。

名は体を表すとはよく言ったもので…彼はその名の通り、端正な顔立ちをしている。
そう、まさに眉目秀麗。彼もまた180を超える体躯で、けして華奢ではないのにも関わらず、初めて対面した時に女の人かと思ってしまったのは、わたしだけの秘密。

切れ長でくっきりの二重、長いまつげに縁取られたその瞳は…彼が掛けている黒フレームの眼鏡越しでも分かるほど、冷たい。
整った風貌と相成り、一見すると近寄りがたい。
でも、彼がわたしを見るときの目は…いつもとても優しい。


麗さまとの出会いは、一年前。
彼が一人で暮らすマンションに、わたしが単身で派遣されたのがきっかけだった。

彼も流星さまと同じ、27歳。
職業は……実は詳しく知らない。
しかし彼もまた、あまりに不規則な生活を送っていた。

わたしが彼の部屋を訪れていたのは、基本月曜から金曜の昼間。日勤の方なら大体不在だろう時間。
けれど彼はその時間在宅が多かったし、出掛けるときもほとんど私服。渡された合鍵を使って入ったわたしが、朝帰り(もはや昼帰り?)してきた彼を迎え入れることも屡々だった。
かといって夜のお仕事をしている訳でも(夜に出ていくこともあったようだけど)ましてや無職という訳でもない。

心配になり尋ねたところによると、以前は昼の勤めに出ていた。今は自営業で、主に不動産を扱っている、とのこと。業務をこなしているので、昼は在宅が多いらしい。

麗さまはそれ以上答えなかったし、わたしも聞かなかった。
彼の声と表情は優しく、穏やかだった。
『気遣ってくれてありがとう』と、頭を撫でてくれた手も、暖かかった。
しかしその瞳は、それ以上の詮索はするなと警告していた。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ