この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第32章 【白い檻】

「えっと…その…買いすぎちゃって…」
「エレベーター使えないって言ったよね?」

未結ちゃん。わたしを叱るときのお決まりの呼び方。話を聞いていなかったことを咎められてしまった。

…でも、今日のわたしはどうしても素直に謝る気にはなれなかった。エレベーターのことを失念してしまったのは、彼のせいでもあるのだから。

「何でそんなむくれてるの」
「……」

わたしの気持ちなんか知りもしない彼は更に畳み掛けてくる。返事をせずにいたら、小さくため息をつかれてしまった。

「それ、駄目になっちゃったの?」
「え?」
「アイス」

彼が指し示したのは、わたしの手にある変形しかけたカップ。
…まさかアイスを溶かしてしまったから、機嫌を悪くしていると思われた??いくらわたしが食いしん坊だからって、さすがにそんなことで拗ねたりしない…多分。…ううん、しない!

「違いますっ、わたし…っ」
「なら今食べてもいいよ?」
「……」

彼いわく今6、7階は未入居。誰も来ないから、と。…ああ、流星さまを変なところで抜けている人と言っていた彼だけど、どうやらあなたもその気があります。だから二人は仲良しだし…
昨夜みたいなこともできちゃうんだろうな…。怖くて言えないけど。

「…いただきます」

四の五の反論するのはやめた。やや柔らかくなった蓋を外し、買った店で付けてもらった木のスプーンで、少しずつすくいながら口に運んでいった。


「…麗さま、お出掛けされるんじゃ?」

シェイクのようになってしまったアイスを食べ進めながら、ふとわいた疑問をぶつける。

『昼頃帰る』昨夜そう言った彼は、わたしが思っていた時刻よりも早く帰宅されたようだ。それこそ、わたしが留守にしているうちに。

階段を降りてきたのだから、また出て行くんだなぁと思ったんだけど…彼は隣に座ったままだ。

「ん?…んー…うん」

返ってきたのも生返事。それに…

「…どうかされましたか?」

頬杖を付きながらずっとわたしを見ている。

「いや、食ってる顔可愛いなと思って」
「な、何言ってるんですか……っ!」
「未結のこと大好きだもん」
「なっ…」

いつでも物怖じせずに気持ちを伝えてくれる彼。こんな時でもそれは変わらない。…嬉しいけれど同時に怒りも沸いた。

「…ら、なんで昨夜あんなこと…!わたし、ずっと…!」
「…ずっと?」
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ