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第40章 【『彼』の居ぬ間に。】

「未結、キスしよ」
「─あ…んん…っ」

肩越しのキスは正直…少し苦しい。入り込んだ舌は当たり前のようにわたしのそれと絡み合い、呼吸の自由まで奪っていく。

「！ふ、ぅ……んっ」

そんななか、大きな掌が胸の膨らみを包みこんだ。形を確かめるように──ううん。崩すように、わざと揉みくちゃにされる。

「──あ。固くなってきた」
「やぁんっ…」

胸の頂点。きゅっと摘ままれたふたつのそれは、彼の指の腹で捏ね繰り回されて感度を増して…存在を主張していった。

エロすぎ、なんて喉を低く鳴らし呟かれたけど…『こんな状況』になったのは久々だから…仕方ないと思う。だって彼はお仕事、『彼』は入院中で不在だったのだから。

「ふ……ぁん…っ」

身体は覚えている甘い刺激。

密着した肌から伝わる彼の体温。
力強くて強引なのに、優しい手。

それら全ては、たまらなく気持ちよくて。

「…濡れてる」
「…やだ…っ」

──ほら。素直に悦んでしまって。彼が触れた時には『そこ』は充分すぎるほど潤っていて…

「…慣らさなくてもイケんな、これ」
「──ひあッ？！」

ベルトが外される音の後、下腹部を襲った重い衝撃。彼が自分の分身を打ち込んだのだ。わたしの潤みに滑らせて。

「あ…っ、…うぅっ…！」
「…未結悪りぃ、我慢できねーわ」

狭さもキツさも構わず、彼は奥へ奥へと突き進んでいく。痛みはないけれど…強すぎる衝撃と息苦しさで目の前がチカチカして…頭の中は真っ白だ。

「っ…！ぅあっ、ああん……ッ」

心は追い付いていない。でも身体は拒んでいない。
侵入者を…彼を受け入れて、悦んでいる。彼にはそれが伝わっているし、それだけで充分なのだ。

「…未結…」
「ひ、ぃっ！…」

両側から腰を掴まれ、一気に奥の奥まで突き上げられた。わたしの全てが彼で満たされた瞬間。目を閉じて浸ったのは、果たしてわたしだけだったかな…

「きゃ……あっ、うぅっ…あぁんっ！」

──後はもう、翻弄されるだけ。彼の衝動のまま最奥を突き上げられたかと思えば、まとわりつくような感覚を愉しむように緩い動きになる。もどかしくなり始めると、また動きは激しくなって──

「やあぁっ、りゅぅ…っ、せ、ぇ…っ」

離れることを許さない彼の両手。絶え間なく襲い来る快楽に、ただただ彼の名を鳴き喘ぐしかなかった。