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BeLoved.
第41章 【密室の獣】

「──あっ…、やあぁ…っ」

肌を打ち付けられる乾いた音に混じって微かに…でも確かに聞こえる、ぱちゅん、ぴちゅん、と卑猥に潤んだ音。それは間違いなくわたしの身体が悦んでいる証。

「あぁんっ…」

どうしてわかるの?どうしていつも触れてしまうの?わたしの奥の奥の…疼きに。彼がそこを攻める度に、肉襞を擦る度に、力は抜けて。そしてそれが更に快感を全身に滲み渡らせていって。延々と続く甘い波に溺れ、嬌声と…蜜は、とめどなく零れ続けた。

「やあぁっ… れぃ…っ」

『彼』のものだった身体が彼のものになっていく。

塗り潰されて…そう、侵食されていくのがわかる。

別の雄が残した痕跡を別の雄が跡形なく消し去る。

そしてわたしは、それを悦んでる……

「ねえ」
「ふあッ!」

突然、耳のそばで呼び掛けられて。
今や全身が敏感になりきっているわたしにとって、それは刺激でしかなくて。一際大きな声を上げてしまった。

「な…、に…っ」
「見て」



『あんっ……××さん…っ』

促された先は、つけっぱなしだったTV画面。映し出されていていたのは…今のわたしと同じ体勢で…男性と重なる彼女。相手の背中に腕を回して抱きついて、甘い声を響かせている。

「未結と同じ顔してる」

未結の方がずっと可愛いけど。と、おでこにキスを落としながら麗は言う。わたしは嬉しさよりも…恥ずかしさよりも、不思議な気持ちになっていた。


『セックス』を傍から見たのは初めてだったから。
…なんだか変な話だけど。

『あ…こんなの…っ』

いつしか画面の彼女は体勢を変えられ、四つん這いにされた。男性は彼女の背後から覆い被さって…彼らはひとつになった。

『ああんっ』

さっきまでのまったりとした空気が嘘のよう。がくがくと彼女の全身が揺さぶられる。乱れた髪の毛は汗ばんだ肌にまとわりつき、華奢な腰は男性の両手でしっかり押さえられて…快楽から逃げられない状態で、激しく突き上げられて。


「…未結?」

彼の呼びかけが聞こえても。
消されるまで、画面から目を離すことができなかった。


…わたしも、あんな風にしている。…『していた』んだ。

あんな──……獣みたく。
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