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BeLoved.
第9章 【Master Bedroom. 1 】

「…あかり消して下さい…」
「やだ」

時刻は午前0時を回ったあたり。深夜にも関わらず天井の照明は煌々と灯り、室内を余すことなく照らし出していた。

その光を遮るようにわたしに覆い被さっているのは…この部屋の主、流星さまだ。


「俺は明るい所で未結の全部が見てーの。さっきからそー言ってんだろ。諦めろ」

壁側に置かれたセミダブルベッドの上。彼と、彼によって仰向けに倒されたわたしとのこの押し問答は、かれこれ10分近く繰り返されている。

「でも…あの…その…えっと…」
「──あ、そーか。わかった」

少しの間のあと、流星さまはそう言ってわたしの上から退いた。恥ずかしい、その気持ちは伝わったようだ。…そう安堵したのも束の間。

「まず俺が脱ぐわ。そんならいーだろ」
「!!」

なんて彼らしい活路を見出したのかしら…って、待って待って待って!!そういうことじゃないです!!

『見せる』のも恥ずかしいけど
『見る』のも恥ずかしいんです!!

慌てて上体を起こしたわたしに背を向け、着ているものを脱ぎ出した彼。
制止しようとしたわたしの声は、彼の次の言葉で喉の奥へ戻っていった。

「俺の日、あと6時間ぽっちしかねーんだよ」

───そう。

わたしは『彼ら』のもの。だけど
わたしを『女』として独占できるのは
その日の『彼』だけ。


それが切り替わるのが、午前6時。


「俺、未結抱きてーもん。好きだから」
「……」

流星さまは嘘をつかない。
違う。嘘をつけない。

だから彼の言葉はいつも
まっすぐ心に届くのだ。

「偉くね?この俺がココまで我慢したんだぜ」

…良くも悪くも。
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