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ひととせの自由
第3章 郷に入っては俺に従え
脱力しきり、ぐったりとするお姉さん。…から、ゆっくりと玩具を抜き(うわ、思った以上にグズ濡れ)、脇に置いたのは…四季先生。やはり、笑顔だ。
「うん、上手だったよー。えらいね、ひととせちゃん」
「…!」
『えらいね』──超久々に言われた言葉。
しかも先生は、頭も撫でてくれた。…あ。
待って。これ。なんか。ヤバイ。
『えらいね』
これちょっとかなり……嬉しい。
〰〰いやいやいや。こんな限りない異常痴態に何言ってんの、私。やっぱりイカれたか…あぁ。
「さーて、君たち戻っていいよー。午後からもよろしくね」
…そうだった。午後も普通に仕事だったんだ。
あ、私ナース服のまんまだった…さすがに着替えなきゃ。
ていうか四季先生、なんて爽やかで軽やかな笑顔と台詞なの。この人切り替え早すぎじゃない?
「うどん、温め直しておきます」
「ありがと、田中くん」
あんたもか田中くん。
私、今の今までうどんのこと忘れてたよ。…あれっ、『田中くん』呼びに戻ってる。…なにこれ。私以外、もう日常じゃん。
────────────────
ここは自分が片しておくからね、と言う先生に部屋を追われ、私と田中くんは廊下に出た。
直後に襖の向こうから漏れてきたのは…お姉さんの喘ぎ声。ハハ…致してらっしゃるよ…。
「ひととせさん」
「はっ、はひっ?!」
呆れかけたところ、いきなり呼び止められて変な声出しちゃったけれども。そんなこと程度じゃ動じやしないこの人は。
「わかりましたよね」
「え…っ何がでしょ…」
顔面と家事の偏差値が高くて、こんな外見で事務員で
四季先生の…忠実なお犬様、田中トゥエルヴくんです。
「ここでは先生が正義です」