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メンズミーティング
第7章 衛生兵 ナノ

「お前は要らない」

医を生業とする家系に生を受けた自分が
まず教え込まれたことは。自分が決して
望まれて生まれたのではないという事実

悲しい、淋しい、それはどんな感情か?
気付いた頃にはすっかり麻痺していて
母を亡くした日すら涙も出なかった。

「お前は要らない」

わかっています。お父さん。
この家には…否、貴方には
兄さんがいれば良いのだと。

不要な存在でも『総監の息子』に
違いはない。医の道から外れたり
落ちこぼれることは許されない。

自分の中の真っ白でなにもない世界。
来る日も来る日も医療の知識だけが
容赦なく詰め込まれ積み上がっていく。

本当に大切な事も必要な事も何ひとつ
与えられても教えられてもいないのに。

ただただ繰り返される無機質な日々
否定されるか無視をされるかの日々

そんなときに現れたのは
──姉さん、貴女でした。

あの日父が屋敷に連れてきた
年端もいかぬ少女だった貴女

腹違いの姉だと告げられたときも
なにも感じることはなかったのに

『よろしくね』

見せてくれた笑顔はまぶしかった。
差し出された手はあたたかかった。

その笑顔を見た瞬間。手に触れた瞬間。
自分のなかの『なにか』が溶かされた。
そんな感覚を覚えたのは忘れられない。

貴女は他にもたくさん教えてくれました。

触れられる安心感
認められる充実感
求められる幸福感

そして───『女』というものを。
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