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第11章 11
ふいに顎を捕らえていた男の手が離れて
布地越しに肌の上を這い、服をたくし上げた。
男の唇から やっと顔をそむけて紗織は叫んだ。


「いや!! やっ・・いやだぁああ!!」


叩いても引っ張っても 男の動きは止まらない。
それが尚更恐ろしい。


「やめてよ! この人でなし!!
 女 無理やり犯して何が楽しいのよ!!
 あんただって、あの弟と何処も変わらないわぅ・・・・ッッ」


一度は離れた手が、紗織の顎をとらえて男の唇が声を防ぐ。
薄らいでいた血の味が また鮮明に蘇る。
紗織は顔を顰めた。

男の片方の手が 服の下に潜り込んで
風呂上り後にブラを身に付けていなかった胸の膨らみをまさぐった。
柔らかいその張りに、手のひらを密着させて揉み解す。
上着をずりあげて、隠れた身体を剥き出させる。

満開に咲いて散った、紅梅の花びらのように色づかされた
自分のものではない口付けの痕が
紗織の白い肌の上に 幾つも残っているのを見つけて
男は荒々しく打ち消すように、その上を強く吸った。

そのまま唇を滑らせて、荒い呼吸の度に上下する胸の先端の突起をも
口に含んで、舌と歯を巧みに使い刺激する。

止めさせようと男の髪を引っ張った紗織の手をねじ伏せて、
手が、下半身へと降りて、静脈の透けて見える内股を撫でて付け根へと向かう。


「ぅぁっ・・うああああぁっっ・・!! ・あっ・・ああぅうくッ・・・ッッ」


泣き叫ぶ紗織の秘裂に差し込まれた男の指先は
腕を押さえつけていた力とは裏腹に、
まるで神秘的と形容しても足りない注意深さを払って秘唇を掻き分ける。

くち・・ 

僅かだが、指と秘処の間で、淫靡な音が発せられた。


「や・・嘘! ・・・いや あっ・・・はっ・・やあぁぁっ・・」


明らかに官能を示し始めている自分の身体への
酷い嫌悪感に苛まれて、紗織は首を左右に振り乱す。
男は更に異様な熱さと湿り気を帯びた膣口を弄くり、たおやかな刺激を与える。
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