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悪魔と天使とお嬢様
第5章 高校生の恋愛
その日の放課後、帰る支度をしていると同じクラスの田中くんに、声を掛けられた。
「…ねぇ、恵美…おまえは付き合っているヤツいないの?」
「…うん。特に付き合っていないよ…」
田中くんは学年でも指折りの人気だ…
二人きりで話したのは、初めてだが、爽やかイケメンタイプだ。
田中くんが顔を真っ赤にして話始めた。
「…僕じゃダメかな…恵美のことずっと可愛いって思っていて…付き合って欲しい。」
「-----っえ!!あの---私---嬉しいけど-----------------付き合えないかも----」
「…付き合えないかもって…どういう事…」
「…ご…ごめんなさい…」
「…恵美!!」
私は急いで教室を出た。
学校の入り口には、龍崎が立っていた。
田中くんが見ている前で、龍崎が差し出した手を握った…
そっと振り返ってみると、田中くんの顔が強張っているのが分かる。
「…恵美…それが答えなんだな…」
私は無言で頷いた。
龍崎にエスコートされながら、車に乗り込む…
“…田中くんごめんなさい…以前の私だったら嬉しかったよ…”