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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
どっちがエセ東京だか忘れたけど、茶髪のチャラ男はアザッス先輩と言いながら上機嫌に笑顔を浮かばせる。不人気だな、私。どうでもいいけど選ばれなかったのはちょっと悔しい。やっぱ女は若さありきなのかな。

「ちょっと。始める前に条件の確認をしたいんだけど。ゴ有りでイチゴでいいでしょ? 」

「あーそれだけどさ。遅刻した上に本来の約束と違う人が来た訳じゃん? そっち側の責任として諭吉一枚にしてくんない? 」

「はあっ? ただでさえ安くしてるのに、これ以上下げれる訳ないじゃん。何ふざけたこと言ってんの?」

「ふざけてるのはどっちだよ。下げないならせめてノースキン位してくれないと。どうせクスリ持ってるんだからいいだろ…別に断るならそれでもいいんだぜ? あることないこと晒して世の中歩けないようにしてやるから。」
 
 略語ばかりで何を言ってるのかよく分からないけど、何やら契約内容で揉めているようだ。私はどうでもいいけど、ノースキン…スキン無し?…その単語から何となく先生がやってたことと同じことをされそうな気がして、嫌悪感を抱いてしまう。先生も嫌だけどこの男達に孕まされるのはもっと嫌だ。私はマオちゃんと名乗る女の子を庇うように、二人の間に割って入る。

「なに? だんまりきめ込んでいたくせに、あんたも何か文句があるわけ?」

「いくら私がオバサンだからって、さすがに口の聞き方が成ってないんじゃない? やっとのことでセックスできる女子高生を得たんでしょう? ここはひとつこの若い娘に免じて、大人な対応を見せてもいいんじゃないの、大人なお兄さん?」

「はあっ? 何で俺達がー」

「聞き分けないわね。いいわ。私だけ特別価格として五千円にまけてあげる。合計一万円の値下げが希望なんでしょ? 浮いたお金は二人で分配でもしなさいよ。ねぇ後輩が可愛くて仕方がない先輩君?」
 
 私はそう言ってさっきから何も言ってこない黒髪の男に近付き、顔を覗き込むようにして挑発する。見るからに危なそうな男だけど、先生とのあの日々と比べれば大したことはない。こっちは死にかけたことがあるし、今だって死への渇望は消えずに残っているのだ。
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