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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目

「喘げ!! もっと喘げよ!! チンポ狂いの淫乱女のくせに澄ました顔しやがって!! 戻ってこい…戻ってこいよ!! お前は、お前は『ほとぎ』なんだ!! 俺の!! 俺だけの!! 大事な大事な女なんだ!! 」
「はぁ!! はぁああぁあ!! いいよぉお!! きもちいーいよぉせんせぇえ!! さっきと全然ちがう!! もっと…もっとおぉお!!」
さっきまでのあの味気無さは何だったのか。
今、私は数秒感覚で天国と地獄を行ったり来たりを繰り返している酩酊感を感じている。
天国に飛んでは神様に叩き落とされて、地獄に落ちては悪魔にロケットみたいに打ち上げられる。そんな非現実なことが私の脳内では絶頂、オーガズム、エクスタシー等の言葉を介して矢継ぎ早に再生されていく。
今、私は生きている。
生を謳歌していると、確かに断言できる。
お腹はモーターでも入っているのかという程に身体の芯からブルブルと痙攣し、心臓は不整脈みたいに何度も血流を止めたり加速したりを繰り返し、目の奥がはち切れそうな程に熱を帯び、耳の中からピーピーとブリープ音が鳴り響く。
今までのセックスなんて霞んでしまう程の快感を、ひと刺しひと抜きで味わう。今になってようやく私は、セックスは生物、つまり生きている者だけが営める特権であり、死者に等しい者がして良い物では無いことを思い知る。
先生は憎悪という感情で私を見て、私はこの世で最も強い感情で見られている。
生者が死者を見ることはできない。
見えたとしてもそれは幽霊という形であって、対等な立場で見られることは決して無い。
今、私は、浜園 穂伽は見られている。
故に、私は生を実感し、本当のセックスを、命の歓びを体感しているのだ。

