この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Q 強制受精で生まれる私
第1章 0度目
 そう言って目の前の『先生』と名乗る人物は謙遜したが、私はどうしても名前が知りたかった。突然自分の名前も思い出せない状況になって…不安で心臓が破裂しそうで…逃れたくて…何でもいいから私に関わる全てのことをもう一度知りたくてたまらなかったのだ。

 私は医者と名乗るならばネームプレートを付けているはずだと思い、胸の辺りをジロジロと見回すが、どこにも見当たらなかった。面と向かって聞くわけのははばかれるけど、私は失礼を承知で問いただした。

「あの…すいません。名札は付けられないんですか?」

 先生と名乗る男は、不思議な物を見るように眉をひそめていたが、こちらの意図に気付いたのか、あぁ申し訳ありませんと言い頭を掻いた。

「いつもの癖でして、よく付けるのを忘れてしまうんですよ。うちは事務員さんも雇っていない程小さな病院だから、注意してくれる方もいなくてね…」

 えーと、どこにやったかなー。とぼやきつつ、先生は机の引き出しを次々と開けては中を確認する。中身の状態からあまり整理整頓ができるタイプではないのだなと感じた。そうこうしてる内に、あった。と声高らかに言い、奥底に眠っていたであろうネームプレートを掘り起こした。

「お待たせして大変申し訳ありませんでした。以後気をつけます。さて、申し訳ありませんがあまり時間がありませんので、問診に戻らせて頂きます。思い出せる範囲で構いませんので、お答え下さい。」

    
/236ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ