この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第2章 ♠Prologue(序章) ♠
♠Prologue(序章) ♠
その瞬間、私はすべてが終わったような気がした。何か女として―、いや、人間として、とても大切なものをどこか遠くへ置き去りにしてきたような気持ちになった。
皮肉なものだ。このような事態になる前には、死にたくないと思っていた。生命さえあれば、生きていられるだけで良いと無欲に考えていたのに、生命が助かったと判った今は、どうだろう! もう二度と目覚めることなく、あのまま生命を失っていたら、こんな過酷な現実を直視することもなかったのにと天を恨まずにはいられなかった。
その瞬間、私はすべてが終わったような気がした。何か女として―、いや、人間として、とても大切なものをどこか遠くへ置き去りにしてきたような気持ちになった。
皮肉なものだ。このような事態になる前には、死にたくないと思っていた。生命さえあれば、生きていられるだけで良いと無欲に考えていたのに、生命が助かったと判った今は、どうだろう! もう二度と目覚めることなく、あのまま生命を失っていたら、こんな過酷な現実を直視することもなかったのにと天を恨まずにはいられなかった。