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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第11章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
しかし、誰が紗英子を責められるだろう。
人間として、我が子を持ちたい、母になりたいと願うその心を否定できるなど、実は天の神ですら、許されはしないのだ。
「もし、神さまの思し召しがあるなら、俺たちにもいずれまた自然な形で子どもが授かるだろうから」
最後に、直輝はポツリと言った。
その時、一陣の秋の風が二人の側を吹き抜けた。ザアーッと音を立てて、頭上の樹々が葉を撒き散らす。風に乗って、赤や黄色の眼にも鮮やかな葉が舞い上がった。
葉が降る、降る。
雪のように、すべてのものの上に。
有喜菜と直輝は一切の言葉を発することもなく、降り続ける色鮮やかな葉を浴びながら立っていた。
静かな秋の公園を、ゆっくりと季節がうつろってゆく。
人間として、我が子を持ちたい、母になりたいと願うその心を否定できるなど、実は天の神ですら、許されはしないのだ。
「もし、神さまの思し召しがあるなら、俺たちにもいずれまた自然な形で子どもが授かるだろうから」
最後に、直輝はポツリと言った。
その時、一陣の秋の風が二人の側を吹き抜けた。ザアーッと音を立てて、頭上の樹々が葉を撒き散らす。風に乗って、赤や黄色の眼にも鮮やかな葉が舞い上がった。
葉が降る、降る。
雪のように、すべてのものの上に。
有喜菜と直輝は一切の言葉を発することもなく、降り続ける色鮮やかな葉を浴びながら立っていた。
静かな秋の公園を、ゆっくりと季節がうつろってゆく。