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月琴~つきのこと~
第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一 
 恐らく手を伸ばせばすぐ傍にいる妙乃より、嘉平太にとってはいまだに小文の方がよほど魅力的なのだろう。父惣右衛門は、妙乃に聟を迎えた現在も心の底では姉のことを諦め切れていない。父にとってさえ、自分は姉の代わりにもなれない存在なのだ。
 妙乃が物想いに耽っていると、突然、一陣の夜風が吹き抜けた。強い風に桜の梢が揺れる。重たげな花々が一斉にざわめき、薄紅色の花びらが薄い闇に散った。まるで狂ったように舞い上がる花びらを魅入られたように見つめながら、妙乃は泣いていた。
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