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月琴~つきのこと~
第4章 第二話 【月琴~つきのこと~】 二
「あなた―」
妙乃は夜具から出ると、良人の前にきちんと両膝を揃えて座った。妙乃の布団の傍らには嘉平太の布団が並べて敷いてあった。嘉平太は出かけたときのままの格好で着替えもせず布団の上に座り込んでいる。普段の彼からは考えられないほどのだらしなさに、妙乃は余計に哀しくなる。
妙乃は勇気を出して、ひと息に言った。
「それほど私をお気に召さないのでしたら、いっそのこと離縁して下さい」
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