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月琴~つきのこと~
第4章 第二話 【月琴~つきのこと~】 二 
 それは哀しい言葉だった。言っている傍から次々に熱い涙の雫が頬をすべり、つたい落ちた。
 自分は嘉平太にとって、姉の身代わりにさえなり得なかった―、その事実は妙乃を完全に打ちのめした。妙乃は叶うならば、今すぐこの場から、否、この世から消えてしまいたいと願った。自分が自分であまりにも哀れであり、惨めだと思った。
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