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咲くのも、散るのも
第1章 予期せぬ再会
メイクをふき取り、もう一度化粧を施す。

鏡の向こうには、しばらく見なかった自分の姿があった。

期待に胸を躍らせ、目が潤んだように輝いている。

肌寒い夜空の下、薄手のコートを羽織って近くのカフェに向かう。

裏通りの奥まった場所にあるその店は、アプローチに生い茂るオリーブの木に、隠れるように建っていた。

すでに拓海は奥の席に陣取っていた。

萌絵は向かいの椅子を引いてコートを脱いだ。

拓海の視線が萌絵の胸元を泳いだので、襟が広く開いたニットを着て来たことを後悔した。
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