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咲くのも、散るのも
第1章 予期せぬ再会
達志は子供を欲しがっていたが、不妊治療は精神的にも金銭的にも負担が大きいから、自然に任せよう、と言っていた。その真意は、ほかに相手がいるから、そこまで努力する気はなかったということだったのだ。
「子供に恵まれなければ、ずっと二人もいいじゃないか」
と、達志は、焦ったり不安になったりする萌絵を、やさしくなだめてくれていた。それも、口から出まかせだったのだ。
この事実を知った時の衝撃の大きさと言ったら、達志に対する感情の針が、一瞬にして愛情から憎しみに振り切るほどのものだった。
「子供に恵まれなければ、ずっと二人もいいじゃないか」
と、達志は、焦ったり不安になったりする萌絵を、やさしくなだめてくれていた。それも、口から出まかせだったのだ。
この事実を知った時の衝撃の大きさと言ったら、達志に対する感情の針が、一瞬にして愛情から憎しみに振り切るほどのものだった。