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第1章 予期せぬ再会

（気、遣わせてるな…）

萌絵はため息をついた。

凛子は、言うことは粗暴だが、その裏には萌絵に対する細やかな思いやりがあるのを、萌絵は感じていた。けれども、凛子のその優しさにのっかって、ただ申し訳なく思うばかりでは、前に進めない。

凛子のお荷物にはなりたくない。早く一人前になって、少しでもキャリアを積まなければ。

そう自分を奮い立たせ、エントランスホールに戻り、デザイン案のデッサンを描きはじめた。

…大きな両開きのドアを開いて、参列者を迎える形に花台を置いて…アレンジメントは…華やかで、洗練された印象のものがいい。カラーやカサブランカに、洋子をイメージした可憐な花も合わせて…

次第に萌絵はデッサンに没頭していった。