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咲くのも、散るのも
第3章 花散るとき
「拓海」

思わず声が漏れた。

(愛してる)

胸の内側で思い切り叫ぶが、声には出さない。

これは覚悟だ。拓海を愛しているから、すべてを引き受ける覚悟だ。

愛している人の妻が、子供が、幸せにならなければいけない。そうでなければ私が愛している人は幸せになれない。

私の気持ちは、受け止めてくれなくていい。返してくれなくていい。

今この瞬間感じ取ってくれさえすれば、それ以上は望まない。
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