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あおい風 あかい風
第1章 雨
県大会で良い成績を残しているわりに 陸上部がグラウンドを自由に使える面積は少ない。公立高校の悲しさだ。そのため 放課後のクラブ活動では 基礎体力作りの方が中心になる。

 ただ 成績をだしている勝者は違う。
 県大会記録を二つももっている松本大輝は その筆頭だった。
 彼が走り始めると サッカー部は場所を空けた。高飛びの練習のときには 誰もが走るのをやめ 魅入った。長身の彼がバーを落とせば 残念そうにため息をつき 素晴らしいジャンプでクリアしたときには 手をたたくものさえいた。

 背の低い かろうじてスプリンターといえる横山碧も そのひとりだった。大輝が飛ぶと 空に届くのでは、とドキドキする。
 細身なのに 太ももは筋肉割れができている彼の走る姿は 風のようだと思う。

 遠目にながめるだけで 話すことなどほとんどなかった。なんのきまぐれか 「タイムとって」と彼から言われるくらいで 会話らしいものをしたことはなかった。
 碧は二年生。三年生の大輝が 他の時間はどんな男の子なのかは知らないが グラウンドにいるときの彼は 無口で近寄りがたい。笑ったところなど見たことがない。自分自身と記録に挑み続ける、碧には 怖くて遠い人だった。

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