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あおい風 あかい風
第2章 キス
 倉庫まで来ると 反射的に足がとまった。「なに?」というように大輝が振り返る。見慣れた無表情の顔。
 それ・・・ 傷つく・・・

 碧だけがこだわっているかのようにとられるのも嫌だけど このまま 何もなかったように一緒に倉庫の中に入って行くのは、無 理。
 「ここまででいいですか?」
 「だめ」
 「中に入らなくても」
 「だめ」
 黙っていると
 「ひとりで 運べない」

 大輝の無関心な様子が 腹立たしいより かなしかった。そんなことはなんでもないと思えればいいのに。
 しぶしぶやっているのだと伝わるように なげやりに手伝った。
 片付け終わって 倉庫を出ようと後ろを向くなり ウエストあたりに手をまわされ 引き戻された。
 そのまま マットレスの上にふたりで沈み込むようにすわった。

 驚いて 声もだせずにいると

「昨日のつづき しよっ」
 押し倒され 彼の重みがかぶさってくる。
 汗と土のまじったような匂いが 大輝の身体からたちのぼり 鼻腔をふさぎ 息ができない。
 すべてがかたまってしまう。胸が苦しくて 身体が心臓だけになったかのように ドックンドックンする。
 
 キスをしながら 胸をさわられたとき 覚醒したように暴れはじめた。
 「いやっ」
 沈むマットレスのせいで動きは限られているが 嫌がって暴れているのはわかったはずなのに ひるみもしない。
 身体の大きさが違いすぎるため 下半身にのられると もう動くことができない。それでも首を必死にふりながら 逃れようとすると
 「ねぇ そんなに いや?」
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