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第21章 門出

「まゆちゃんスーツ似合ってるわよ……見た目だけなら真面目な社長秘書さんね」

黒いスーツにタイトスカートのまゆを見て美咲が意味ありげに笑い、「新人秘書さんの仕事ぶりはどう？」と杉浦にも声をかける。

「うん、よくやってくれているよ……時々小さなミスはあるけどね」

「小さなミス？」

「うん、今日も企画書の文章に変換ミスがあったかな？まあ、たいしたことないミスだけど……」

「杉浦さん、甘いわよ……ミスした秘書さんには、きっちりお仕置きが必要よ」

そんなやり取りをして、美咲がまゆの顔を見る……まゆの人生を変えたあの意地悪な微笑を浮かべてまゆの顔を見る。

お仕置き……お仕置き……

心の中で繰り返し、まゆが何かを期待している顔になる……真面目な社長秘書の顔からエッチなことを期待している悪い子の顔に変わる……。