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訪問 パティシエSana
第6章 Sanaの選択
 何事もない日々が続いて、林社長からのお誘いも返事もなかった。あの新店の話は虚構ではないかとか、なにか揉めているようだとかの噂が流れては消えた。林は忙しいのか、Sanaの前には姿を現さなくなっていた。『からかわれたのよ』、と言う輩まで出る始末であった。
 Sanaは休日にある決心をして出かけることにした。あの場所に行ってみることであった。そうあの場所、あの裏通りに。
 マロンクリップを擦り取られた場所である。怖い物見たさもあった。いで立ちは少しかえて、サテンスリーブと花柄のジャガースカートを選んでみた。フレアに広がるスカートが少し上品であった。しかしながら、スカートの内側はマロンクリップを装着してノーパンであった。通販で新規に購入し先日届いたものでアゲハチョウの飾のもので鈴はついていない。ニップルは花柄のリングのみでクリップはつけてはいない。べつにバッグにチェーンを持っている。ノーブラでは流石に分かってしまうからである。ブラはハーフカップより小さいので歩くとバストの上部が揺れる。その刺激が乳首に伝わって心地良い。
 何事も無く通りについてしまって、Sanaは拍子抜けであった。男たちの歓待も視線もない。歩いている男たちもSanaを一瞥するがごく普通の反応で無言のままに通り過ぎていく、・・・。
 アクセサリーのSHOPに這入って物色していると、
「先日被害に遭われた方ではないですか」と店員に声を掛けられた。
少し逡巡してSanaは頷いた。
「やっぱりそうですか。ちょっと待っていていただけますか」と言って店員は慌てていなくなった。
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