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訪問 パティシエSana
第12章 男たちの葛藤
「もしもし、お客様」「如何いたしましたか」
  遠くで人の声がかすかにする。
「いや、寝てる。寝ている」「え、それはまずい。出よう」
「失礼しました・・・」バタバタと足音がした。
  ドアが閉まる音が響いて、また静寂になった。

 Rinは漸く意識が戻ったように眠りから覚めて、カーテンの隙間の明りが薄めに開いた眼に映った。はっと気が付いて起き上がろうとしたが首が上らなかった。
 首輪をしている。
 首輪を掴んで起き上がるとリードが絡んで起き上がらない。ジタバタして回転してやっと起き上がった。全裸であった。胸が痛いと思ったら、ピンクのクリップが着いている。
 昨晩のめくるめく痴態がそのまま残っていて吃驚した。お尻が重い。触ると這入ったままであった。肛門に入れられていたのは知っていたがそのままであった。トイレにいって外そうと思ったが、その前に首輪だ、首輪。
 Rinは七転八倒の状態でホテルの部屋を駆け回って、服を着ようとして探したクローゼットを開けて固まった。
 そこには折り目正しくスーツが掛けられ、着ていた下着もたたまれてあった。ワイシャツも皺はあったがネクタイと一緒に掛けられていた。妻が片付けたように見紛うばかりであった。Sanaである。愛情さえ感じる振る舞いに、こころ動かされるRinあった。
 もうすでに11時を幾ばくか回っていた。
 大わらわで服を着て身支度をした。ベッド周りを点検し毛布類も叩いて、忘れ物のチェックをした。クリップ類が転がっていたのはポケットにしまったが、困ったのは首輪である隠しようがないのである。それと、嵌ったままの器具は菊門に深々と突き刺されているとこから男根のつけ根までベロ状の板が伸びていて先に穴が開いており、その穴に男根がはまっているのである。貫通した穴の部分に自分のペニスが根元まで這入っているので抜こう引っ張るとアヌスに這入った部分が一緒に引っ張られて抜けないのである。これはそのままで出ようと決めた。
 フロントでは寝すぎたと頭をかいたが、対応したフロントは普通であったが周囲に好機な眼があった。寝姿を見られたのかも、這う這うの体でタクシーに乗った。
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