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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第2章 2皿目
「聞いてる栞? 俺は質問をしているんだよ?」

「はっ、はひっ…しゅー…うぅ…」

「なに? その俺様イケメン君のフェロモンにあてられちゃいました、みたいなしょうもない漫画に出てきそうな顔。もしかして、もう頭くるくるぱーになっちゃったの? いくらなんでも早すぎ。もう少し耐えようよ…こんなのまだ口直しにしかならないよ」

「はぁ…あっ!! ふ…くち…なおし?」

「そう。二重の意味で、ね。お口の中綺麗にお掃除したから、もう感じないでしょ? ピータンの臭み。それに身体の調子も戻ってきたんじゃない? さっきお風呂でイきそびれちゃったもんね」

「どう、して…やっぱり覗いて…やぁああ」

 一体いつから。どこから。どの時点から洲は覗いていたのだろう。アソコに指が触れて、思わず声が出ちゃった時? 体をくねらせていた時? それともお風呂に入る前の、愛液を掬った時から…? 思い返せば思い返す程に体温が高まっていき、心臓の鼓動が大きくなって背中まわりのぞわぞわとした悪寒が増していく。

 今までにない極度の緊張からか、私はもはや立っているという脚の感覚が無くなっていき、とうとう膝の支えが効かなくなって体がバランスを崩してしまう。そのまま床に倒れて気絶できれば夢で終わらせられたかもしれないのに、洲はそんなことはさせないとばかりに優れた反射神経で私の全体重をがっしりと支える。

「っとと。ふぅ…危ないなぁもう。そんなに見られたのがショックだった?」

「あぁ…あああ…」

「もしかしてちょっと位シテも絶対気付かないだろう、なんて思っていたりしてないよね? あんな艶っぽい声撒き散らしといて、気付かない訳ないじゃん。ただでさえ会うなり、誘っているのかって位にそわそわしていたのにさ。昨日の後とはいえ、いくらなんでも節操なさすぎだと思うけど…その辺りはどうお考えかお聞かせ願えないでしょうか?」

 少女漫画だったらそのまま胸キュン展開に発展しそうなシチュエーションなのに、洲は男らしい体で卒倒しそうな私を支えながら、乙女のときめきをぶち壊す下半身事情を訊いてくる。小馬鹿にした口調で私に返答を求めるその質問は、あるひとつの事実を私に突きつけてくる。

 昨日の出来事…あの悶えに悶えた熱帯夜は、決して夢なんかじゃない、という事実を。
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