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フレックスタイム
第7章 入籍と過去の女
「折角入籍したのに、
結婚式も披露宴もないなんて、
百合さん、可哀想だわ…」とお母様が言う。

「でも、こんな包帯をしてたら、
指輪も嵌めて貰えませんから…」と笑う。

「じゃあ、包帯、取れたら、
盛大にやりましょうね!」と言われるけど、
少し複雑な気持ちになる。

だって、手には…
大きな傷痕が残ってしまうから。
それを目にすると翔吾さんが心を痛めてしまうだろう。


「百合。
傷があろうと、
歳を取って皺くちゃになろうと、
俺は百合のこと、ずっと愛してるし、
手にもたくさんキスするよ?」と言って、
包帯の上からキスをそっと落としてくれる。

「それに…
もっと俺が気をつけてあげてれば…」と涙ぐんでしまう。


「ダディ、男の子は泣いちゃダメなんだよ?
マミーを守れないでしょ?」と、
翔吾さんの頭を撫でるので、
みんなで笑ってしまう。





あの人…玲さんについては、
殺人未遂等の罪状で刑事訴追され、
実刑になる見込みだった。

民事裁判も同時に進行した。


私に対する憎しみが強く、
それは自分で自ら手放した夫と息子を「盗られた」という気持ちからだったようだ。

ただ、婚姻中の不貞行為やケンに対するネグレクトと虐待の話も明らかになり、
私達への接見制限なども出る方向で進んだので、
出所後も気をつける必要はあるけど、
そこまでのことはもうしないのではという話になった。

とにかく非常に身勝手で、
母親としての愛情や責任感も見られない点がクローズアップされて、
厳しい結果になりそうだった。


私としては、
自分の感情のままの行動の結果、
「ケンの生みの親が犯罪者」という状況を引き起こしたことが許せず、
特別養子縁組した以上、
ケンの母親は私だけで今後の接見は一才禁止ということを裁判でも主文の中に明記して欲しいと弁護士さんから伝えて貰った。

ちなみに、ケンの父親と思われるアメリカ人は、
妻帯者だったらしく、
とうに本国に帰国しているとのことだった。
玲さんは認知を要求したが、全く取り合って貰えなかったので、
翔吾さんにケンを押し付けて追い掛けた挙句、
あっさり捨てられて、
戻って来ようとしたら、私が既に居たことで、
逆上したようだった。



これ以上、私達に近づかないで欲しいと願うだけだった。
特にケンには…。
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