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第4章 孤高の女

土曜日の朝、いつもの時間に目が覚めて、
社長にこっそりキスをしてから起き上がろうとすると、
抱き締められて、キスを返されてしまった。


「おはようございます。
私、朝食作ってきますね？」

「もうちょっと、
寝ていたいけど？」

「土日だけお寝坊するより、
同じ時間に起きた方がリズムが狂わなくて良いですよ？」

「じゃあ、トレーニングしてこようかな？」

「良いですね？
私は運動、苦手なので…」

「そうなの？
じゃあ、一緒にやろうよ？」

「トレーニングより
ご飯作ってきますね？」



私は朝食を作り始めながら、
常備菜を作る。

社長はトレーニングをして、シャワーを浴びたようだった。


「ケンを起こして来てくれますか？」と頼んで、
食事を外のテラスに運んだ。


「ピクニックみたいに楽しくない？」と言いながら、
3人で朝食を取った。


「リリィは、ナニーじゃなくて、
マミーにならないの？」と、急にケンが言うので、
紅茶を飲んでいた私は咳き込んでしまった。


「大丈夫？」と、社長が背中を叩いてくれる。


「ダディもそうなると良いなと思ってるけどさ。
なかなか良いって言ってくれなくてね」と笑うので、

「もう！
ケンが本気にするでしょ？」と、私は社長を軽く睨んだ。


「僕が良い子にしてたら、
マミーになってくれる？」


「ケンはね、
今でも充分、良い子よ？
リリィは、ケンが大好きよ」と言うと、
席を立って嬉しそうに私の膝に乗って甘える。


「ダディがもっと、
しっかりしないと、
リリィはダディと結婚してくれないんだってさ」


「じゃあ、僕がリリィと結婚するよ？」とケンが言って、
キスをしてくれる。


「参ったな？」と言いながら、
社長は嬉しそうに笑った。


ケンが庭で遊び始めたので、
社長にケンを見て貰っている間に、
私は食器を片付け始めた。


その後、社長はテラスにパソコンを持ち出して、
仕事を始めたので、
私もそうすることにした。


私の方は、時々、ケンに呼ばれては、
一緒に遊ぶので、
あまり仕事は進まないけど、
土日はケンのことをするのが、
私の仕事だからと思っていた。

社長が穏やかに笑いながら、
ケンと私のことを見ているので、
ちょっびり恥ずかしくなってしまった。