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蒼い月光~くの一物語~
第12章 朱里の誠の敵討ち
「千代さま‥‥鎖帷子というものは
斬りつけてくる刃には身を守ってくれますが
突きには非常にもろいものでございます」
だから剣山は朱里を討つときに
袈裟懸けに刃を振り下ろさずに
突き立ててきたのか‥‥
「どうか、その点をお忘れなく‥‥
それと余計だと叱られるのを覚悟で申します、
討伐の決戦の折りには、
この兵吉、微力ながらお供いたしますゆえ‥‥」
それはならぬと叱りつけると、
お供を許されないのであれば、
討伐の計画を殿にご報告いたしますと気色ばんだ。
「そなたは天井にいるときに
誰にも語らぬと約束したではないですか」
「え?な、なぜそのことを・・・」
「声色を変えても
あなただとすぐに気づいておりました」
「お、お見事でございます・・・・」
そう言って兵吉はひれ伏した。
「影の者であるならば、
黙って私の影となり
ついてくればいいではないですか」
「・・・・御意」
一人で討伐に出向くつもりであったが
ここは兵吉に影働きしてもらうことにした