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蒼い月光~くの一物語~
第9章 千代の初枕(初夜)
「千代、大丈夫だ。
やさしくするから・・・」
剣山が唇を重ねてきた。
なんと優しい男なのだろう・・・
しかし、私はこの男を切らねばならない。
愛撫し合っているうちに、
千代の心に剣山への恋慕が成長していた。
愛しい男・・・
私にこの男が殺(や)れるだろうか・・・・
そんな千代の心の葛藤を激痛が打ち消した。
剣山が腰を大きく前に突き出したのだ。
「あ!!い、痛い!!!」
一言、声を発すると、
あわてて自分の手で口を押さえた。
武士の娘たるもの、
弱み、痛みを口にするなと
母に教えられてきたからだ。
唇をグッと噛み締め、
片手で口を塞ぎ、
もう一方の手で敷布を強く握り締め痛みに耐えた。
燃え盛る松明(たいまつ)に
陰戸を貫かれているようだった。
千代は耐えた。
ただひたすら痛みに耐えた。
剣山は感無量だった。
なんと心地よいのだ。
千代の口の中も極楽だったが、
陰戸の中というのは
これほど気持ちの良いものなのか・・・・
だがどうだ、自分の体の下の千代の
苦しむ様は・・・
女は気持ちよくないのか?
それどころか苦痛に耐える
表情をしているではないか。
「殿、最初は誰も皆、
痛がるものでございます。
回数を重ねるごとに
至極の喜びを味わうようになるのです」
八重が心配そうに千代を見下ろす剣山の表情を
読み取り声をかけた。