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FREE BIRD
第56章 それぞれの年越し
…誠side…
今日は大晦日だ。
フランスから帰ると、健太はもう退院して元気そうだった。
まだ抜糸はしてないから傷痕が生々しい。
手首から肘まで一直線の縫い跡だ。
「健太、痛いか?」
「全然」
健太は大晦日のテレビに夢中だ。
「お蕎麦できたよ」
雪は年越し蕎麦をダイニングテーブルに置いた。
「はいよ」
僕と健太はダイニングに移り、テレビ見ながら蕎麦を啜った。
雪も黙って食べていた。
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