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漏らしちゃったの?
第2章 海の秘密
1
さて、今日も頑張らなくちゃね。
起き上がったわたしの体調はすこぶる良い。
アラームが鳴る前に起きられた。
布団は…………良かった、乾いたままだ。
毎朝この瞬間が、わたしの心を一瞬だけ、小さくさせる。
誰にも言えない秘密……考えると、恥ずかしさから顔が赤くなりそうで、気持ちに蓋をして、頭を切り替える。
カーテンを開けると、気持ちの良い晴れた空が広がっていた。
「んー、良い天気!!」
誰に聞かせるでもなく、ひとりでに言いながら、窓を開ける。
騒がしい朝がスタートする前の静けさと、春の穏やかな日差しが部屋に充満する。アパートの小さな庭を見下ろす位置にあるわたしの部屋から、立派な桜の木が見える。満開から少し過ぎた桜の花を押分けるように、緑の芽が息吹いていた。
月一、健康的な周期でやって来る生理も、月末で終わった。
今日は体が、浮くほど軽い。
パタパタと準備を滞りなく進め、朝食を食べ終えると、化粧に取り掛かる。
シンプルな小さな白のイヤリング。
口紅はこの間新調した、淡いピンク色。
血色が良くなった肌の色に合っていて、自然と頬が緩む。
出かけの鏡の前で支度を整えると、もう一度ふっと笑ってみた。
「いってきます」
わたし以外がいることのない部屋に、いつも通り声を響かせて、鍵を閉めた。
さて、今日も頑張らなくちゃね。
起き上がったわたしの体調はすこぶる良い。
アラームが鳴る前に起きられた。
布団は…………良かった、乾いたままだ。
毎朝この瞬間が、わたしの心を一瞬だけ、小さくさせる。
誰にも言えない秘密……考えると、恥ずかしさから顔が赤くなりそうで、気持ちに蓋をして、頭を切り替える。
カーテンを開けると、気持ちの良い晴れた空が広がっていた。
「んー、良い天気!!」
誰に聞かせるでもなく、ひとりでに言いながら、窓を開ける。
騒がしい朝がスタートする前の静けさと、春の穏やかな日差しが部屋に充満する。アパートの小さな庭を見下ろす位置にあるわたしの部屋から、立派な桜の木が見える。満開から少し過ぎた桜の花を押分けるように、緑の芽が息吹いていた。
月一、健康的な周期でやって来る生理も、月末で終わった。
今日は体が、浮くほど軽い。
パタパタと準備を滞りなく進め、朝食を食べ終えると、化粧に取り掛かる。
シンプルな小さな白のイヤリング。
口紅はこの間新調した、淡いピンク色。
血色が良くなった肌の色に合っていて、自然と頬が緩む。
出かけの鏡の前で支度を整えると、もう一度ふっと笑ってみた。
「いってきます」
わたし以外がいることのない部屋に、いつも通り声を響かせて、鍵を閉めた。