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Kiss Again and Again
第8章 それから

 駅の改札で 手を振る海を見つけると 改めて この人の美しさに驚く。 こんな人が 自分を待っていてくれることに 胸が震え ときめく。 
 「おかえりっ。 あゆ・・・ 逢いたかった」
 なんという幸せなのだろうと 打ちのめされるような気がする。

 うだるような夏の昼下がりの陽ざしの中 海は わたしのカートを引きながら手を握って歩いた。
 「セミナーはどうでしたか?」
 「あゆは お腹はすいていないの?」
 なんだか 二人とも軽い興奮状態で 話がうまくかみ合わない。

 マンションが近づくにつれ 海は どんどん早足になる。 手を引かれていなければ ついていけないくらいのスピードだ。
 「海・・・ まって・・・ そんなに急ぐと 汗まみれになるわ」
 「もう すぐ 着くから」

 マンションに着くと 本当に二人とも 流れ落ちるほどの汗をかいていた。 ドアを開けると 中はひんやりして やっとひと息つける・・・ と ドアが閉まる間もなく 海はキスしてきた。 回された腕も汗ばんでいる。

 「あっ・・・ まって・・・」
 「なんで?」
 「息が・・・ できない・・・」
 あんまり急いだから 二人とも 息が弾んでいる。
 「だって やっと逢えたから」

 回した腕に 力がこもる。 キスされるのは とても嬉しいけど また新しい汗がでてくる。
 「海・・・ お願い・・・ 少し 落ち着いて」
 「あゆは 逢いたくなかったの?」
 そんなわけがない。 この人は 時々 意外なほど子供のようになる。
 「今は 汗だくで 熱烈な告白ができないの。 だから 涼しい所へ連れていって」

 それでも 海は 腕をほどこうとしない。 合わさった胸は しっとり汗ばんでいる。 背中に手をおくと そこも汗で張り付いている。 愛おしさが込みあげた。


 そういえば 以前にも こんな性急さで求められたことがあったっけ。 そう・・・交通事故を見た夜だった。



 
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