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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 海は 舗道の近くに車を停め あの日 空港でしたようにわたしを支え 車に乗せてくれた。 わたしが知っている車種ではなくなっている。 買い替えたのだろうか。 空港では 気がつかなかった。 充分 時間はたったのだ。
 乗り込む時には ブーケを預かってくれた。

 「こんなことしていただいて。 よかったのですか? どこかへ行く途中だったんじゃあ・・・」
 「従兄の結婚式で 叔母さん連中の送り迎えに借り出されただけだから。 女の人は 大変だよね。 着物を着るとなると 大荷物でしょう? ちゃんと送り届けたから 僕はもう用済み。 二次会も 従兄の友人が多いから 僕なんかが出なくても大丈夫」

 それで黒のフォーマルなんだ。 この人にも親戚がいて 親密で気軽なお付き合いをしているらしいのは なんだかそぐわないような。

 「今は あゆの方が 緊急事態だから」
 なんだか こんな言い回し 懐かしい・・・
 「半分は 僕のせいだし」

 あなたに怯んだことに 気がついた?

 「あゆは 友達の結婚式?」
 「はい。 大学の同級生です」
 「へぇ・・・ もう結婚とか 早くない? 僕が 知ってる人?」
 まるで 一週間ぶりに会ったように 海が聞く。
 「寺下純子ちゃん」
 「ああ・・・日本人形みたいな美人?」
 「そう・・・ 今日も 日本人形みたいに綺麗で・・・」

 それなのに 樹さんは 帰って来なかった。

 堅く目を閉じて 黙りこんだわたしに
 「大丈夫? 痛む?」
 「はい・・・」

 多分 靭帯が伸びている。 当分 歩くのには苦労するだろう。

 「本当は もっと早くに 気がついていたんだ。 その色は目立つからね。 あゆが迷ったみたいにうろうろしているのを見かけた。 どの花嫁さんより目立っていたよ」


 車を降りるのを手伝ってもらい 尚、肩を貸してくれようとするのを断った。
 「ひとりで 歩けます。 本当にありがとうございました。 ご迷惑をおかけして」

 既に 靴が履けないくらい腫れていた。

 靴を履かず ストッキングだけの足を引きずりながら マンションに入った。 オートロックのところで振り返ると 海は 助手席のドアを開けたまま こっちを見ていた。 深く頭を下げると そのままマンションに入った。

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