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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情

 カジュアルでいい。 グリーンとグレイのチェックのパンツに 白いブラウスの上にモスグリーンのセーターを着た。 鏡を見ると 大学の頃 自分のことを「火曜日の女」と呼んでいたことを思い出した。 土日は「本命様」用だと思いながら 火曜日にデートするのは楽しみだった。 海に気づかれない程度の遠慮がちなおしゃれをしていた。 楽しみにしていると気づかれるのが 恥ずかしかった。 なんでだったのだろう・・・ 

 舗道に立つと すぐに海の車が近づいてきた。
 サングラスをしている。 その美しさに はっ、とする。 思い出した。 この美しさのせいで いつも信じることができなかったのだ。 こんなに美しい男が 自分のことなんか本気になるはずがない、と いつも思っていた。

 「僕の外観が 好きなんじゃあなくて?」

 反対かもしれない。 いつも あなたがここまで美しくなければ、と思っていた。 もっと信じることができて 素直に溺れることができるのに、と思っていた。

 サングラス越しでさえ 海が嬉しそうなのがわかる。
 もっと 信じたい。 いい人なのだから。


 助手席に乗り込むと 海が笑いながら言った。
 「今日は お揃いだね」
 海もグリーンのセーターを着ていた。 パンツは濃いグレイだった。
 「あぁ・・・ 一緒に歩くのは恥ずかしいですね」
 「そんなことないよ。 僕のジャケットはグレイだから」
 わたしのハーフコートはベージュだった。
 「どこへ行く? 日帰りだったら 箱根か富士山かな?」
 「どちらでも」
 「首都高 運転してみる?」
 「いえっ。 それは まだ無理です」
 楽しそうに笑いながら
 「じゃあ 富士山に行くことにして 首都高を抜けたら 運転を代わろう」

 「来てくれないかと思った」 ナビに打ち込みながら ポツリと言う。
 「でも 電話は 来る途中にしたのでしょう?」
 「だめもとで」

 あのまま 折り返さなかったら どうしていたのだろう。

 「さあ あゆは いつ寝てしまうかな?」
 「今日は 寝ません」
 「帰りは 絶対 寝ると思う」
 「いいえ。 今日は寝ません」

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