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Kiss Again and Again
第5章 はじまりのはじまり

 本当に知りたいことは 今は聞けそうにない。
 つらい恋が始まりそうな予感。
 この人の掌の中で ころがされそうな予感。

  先輩がわたしの手を捉える。 瞬時に 身体が構える。 もう慣れてしまったかのように 先輩はにっこり笑った。
 「あゆから さわってみて」
 心臓が どっきんっと跳ね ここにありますよ、と主張し続ける。
 引かれた手が 先輩の左胸にいざなわれる。 震えが 始まった。 どきどきも治まる様子はない。
 「僕も どきどきしているでしょう?」
 確かに。 自分のことばかりで気がつかなかったけど 先輩の心臓も 多分いつもより速く打っている。
 強い目が わたしを見つめている。 近づき 唇が重なる。

 わたしの手を握っていない方の手が 左胸にのせられた。 思わず身体を引く。
 「あゆも どきどきしてる」

 先輩の身体の重みで ソファにゆっくり 倒れてゆく。


 床にたたきつけられ のしかかられた恐ろしい記憶が つま先から駆け上がった。 あの時 足の裏に感じた 人間の顔の肉と骨のおぞましい感触も 甦る。
 「はっ」 「はっ」という荒い呼吸音。 胸が苦しい。
 二人の胸の間から 両手を引き抜こうとすると
 「何もしないから・・・ キス以上のことは しないから・・・ 僕になれて・・・」

 切ない声だった。

 「あゆを 傷つけたり怖がらせたり・・・ ひどいことはしないから・・・ 僕を拒まないで・・・」

 そうなりたい。。。
 ただ 普通に寄り添い 重なり合い 満たし合いたい。。。
 この人に こんな切なげな声で 懇願されたくない。

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