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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 7 夢幻の如くなり…

「もう、しっかりしなさいよ…
 和哉が誘ってきたんでしょう…」
 だが、怒ってはいない、目は笑っている…

「あっ、す、すいません…
 ドキドキしちゃってて…」
「えっ、ドキドキって…
 まったく、もぉ…」
「だって、美冴さんが余りにも綺麗で…
 そして僕と余りにも不釣り合いで…」

「当たり前よ、だって、わたしはわざとそうしようと着飾ってきたんだから…」
 
「え…、わざと…ですか…」
「うん…、わざとね…」
 意地悪な目をして頷いた。

「ご注文は…」
 すると女性店員が訊いてきた。

「ええとぉ、この本日のスペシャリテのコースを二人分ね…
 あとは…わたしはとりあえず白ワインを、あ、シャルドネ系がよいかな…」

 和哉は?…
 そんな目をして見てくる。

「え…と…」
「あ、とりあえず同じワインを…」
 と、美冴さんがサッとオーダーしてくれた。

「すいません…」
「もうお酒飲めるんだよね…」
「あ、はい」
 意地悪な目で訊いてくる。

「大学四年生かぁ…」
「は、はい…」

「失礼します…」
 女性店員が白ワインを注いでくる。

「じゃ…」
 すると美冴さんはワイングラスを手にし、目の前に差し出してきた。

「あ…」
 僕も慌ててグラスを持つ。

「ええと…
 じゃ、さ、再会に乾杯…」
 カチンとワイングラスを合わせる。

「ふう、美味しいわ…」
 美冴さんはそう呟き、そして僕を見つめてくる。

 ドキドキドキ…
 高鳴りが止まらない。

 何をどうやって、どう話そうか…
 昨夜色々と考えたのだが、どこかに吹き飛んでしまったようだ。

「まさか…ね…
 こうして和哉と再会するとは…
 そして、考えもしなかったわ…」
 優しい目でそう話してきたのである。

 こんなグズグズの僕にそう呟いて、助け船を出してくれたようだ…

 ここで、何とか応えなければ…

「そ、それは…
 僕も同じ想いです…
 まさか、本当に再会できるなんて…」
 ようやく言葉が出てきたのだ。

「まさか、こうして食事できるなんて…」

 そうなんだ、まるで、夢の様である…

 いや、夢かもしれない…

 本当に現実なんだろうか…

 正に、夢幻の如くなり…である。

 五年間の想いが…

 1350万人の1の確率が…

 まるで夢のようだ…






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