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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 96 きよっぺ ②

 私達はきよっぺのマンションから徒歩で約5分程にあるこの街一番の評判のステーキハウスに歩いていく。

「ああこの歳になってこっぺとこんなデートできるなんてねぇ」
「うん…」
「もうねぇ今夜が楽しみで愉しみで、午前中の仕事の長かったこと」
 笑顔が眩しい。
 ウキウキ気分であっという間にステーキハウスに到着した。

「とりあえず生ビールかな」 
「うんわたしも」
 二人で生ビールを頼み、和牛のサーロインステーキのコースを頼む。

「じゃあ…」
 
「再会に…」
 そう言いながらカチンとジョッキを合わせてた。

「やだぁ、わたし達大人だねぇ」
 するとキラキラとした大きな目で言ってくる。

「もう40過ぎだしね」
「違うわよぉ、まさか、こんな歳になってこうして食事できるなんてぇ…っていう感慨深い想いなの、もう、情緒ないんだからぁ」
「あ…、そうか、ごめん」

「もお…」
 そう呟き頬を膨らますのだが、本気で怒ってはいない。
 そして前菜からコースが運ばれてきた。

 私達は食事を楽しみながら会話を愉しんでいく…

「ふうぅ美味しかったぁ、お腹いっぱいだわぁ」
 と、食後のコーヒーを飲みながらそう呟く。

「こんな美味しいお肉久しぶりに食べたわぁ」
「そうか…」
「あら、いつも食べてるの?」
「そんな事ないよ、ただ40の中年独身男だからほぼ外食だけどね」
「そうなのぉ、誰か食事を作ってくれる方はいないのかしらぁ?」
「い、いないよ…」
「ホントかなぁ」

 確かに、本当に食事を作ってくれる女はいない、いなかった…
 なぜならゆかりは料理が苦手であるから。

「なんだぁ、近く、ううん、東京にいたら作ってあげるのにぃ」
 そう笑いながら言ってくる。

 そうか、東京に居たら…
 そんな彼女の言葉にドキンとしてしまう。
 
 そして私は急にきよっぺが欲しくなったのだ…
 オスのいやらしい、スケベな本能がムクムクと心の中に湧き出してきたのである。

 そしてそんな欲情の想いが目に表れたのかもしれない…

「ねぇ…、ウチに来る…」
 きよっぺはそう囁いてくる。

 ウチに来る…

 それは二人の昔の秘密の合図…

「誰もいないから…」

 誰もいないから…

 ウチに来て…

 ヤろう…

 いつの間にか、きよっぺの大きな瞳も欲情で濡れていた…





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