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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 222 抗えない熱い想い

 なんと…

 突然に…

 そのスイッチに置いたわたしの手を、杉山くんが握ってきたのである…


「ぁ……ぇ…」


 な、なんだ…

 そしてなんと突然、杉山くんは、わたしを後ろから抱き締めてきたのである…



「…………ぉぉ…」
 そしてよく聞き取れない呟きをしながら、わたしのショートボブの髪に顔を埋めてきたのだ。


「え…、あ、す、杉山くん…」
 わたしはそう囁くのが精一杯で、なぜか抵抗できない…で、いた。

 いや、抵抗しなかった…

 そして…
「ぶ、部長ぉぉ……」
 と、再び呟きながら、スイッチに伸ばして握ってきた手を胸元に運び、両手で完全にわたしを抱き締めるカタチをしてきたのである。

 わたしは抵抗しなかった…

 いや、抗えできなかったのだ…
 なぜならば、心の奥深くのどこかに、杉山くんのこんな想いを感じていたからである。
 
 いや、違うのだ…

 わたしがイタズラに杉山くんを刺激し、心の火を点けたのである…

 全部、わたしが悪いのだ…

 こうなる事は必然の流れであったのだ…

 いや、違う、わたしが導いた結果なのである…

 時間にして約二時間弱、わたしのイタズラ心に刺激をされたのだ…

 そして、つい昨夜…
『いい人じゃダメなんだよ…』
 と、わたしに言われ、諭された。

 だからこそここで今夜、こうなる事は必然であり、いや、こうなるようにわたしが導いたようなモノなのである…

 全部、わたしが悪いのだ…

 きっと書類を忘れたなんて、タクシーを降りる、そしてこの部長室という密室に入る為の杉山くんなりに必死に、一生懸命考えた口実に過ぎないのだ…


「ぶ、部長ぉ、お、俺……」

 そしてこの時、そう呟いてくる杉山くんから一気に『オス』の匂いと、『男』の本能の気配を感じ取ったのである。

 ドキドキドキドキ…

 抱き締められ、密着している背中が熱い…

 激しい鼓動が伝わってくる…

 いや、わたしの鼓動なのか…



 
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