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シャイニーストッキング
第19章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一
 8 『ジャンヌ・ダルク』

 私はこの保険会社を私物化し、粛清人事をしていた前常務に追い遣られてしまった優秀な人材を、この保険会社の唯一の光明的な存在であり、総合職として獅子奮迅の抗いをしていた存在である越前屋朋美の人脈により検索をして貰っていたのだ。

「はい、思い当たる限り検索して調べてみましたぁ」

 前常務は自分のアンチ的な存在はほぼ全て人事異動という名目での粛清人事異動を強行していたそうであり…
 その異動で飛ばされた人物達はつまりは、会社を私物化しせっせと私腹を肥やしていた前常務に対する反乱分子であったという存在であり…
 それはすなわち裏腹であり、至極優秀な逸材、人材達といえる証明でもある。

 つまりその存在は…
 これから先の私の重要な切り札、戦力に成り得るという事、そして必ずそんな彼らを取り込み、味方にすれば、私の足元は確実に、尚且つ強力に固まる、いや、固められるのだ。

 その為に、この越前屋朋美という存在が重要な意味を占めてくるのだ…
 なぜならば、彼ら達にとってこの前常務の背任行為の罪が暴かれ破滅した現在の現実により、彼女の存在感はまさに過去に存在した歴史的ヒロインである
『ジャンヌダルク』的に値するからである。

 そんなあの前常務派が跋扈し、会社を私物化し支配していた当時、優秀が故に前常務に反旗を翻した為に飛ばされ、
苦汁を飲まされていたそんな彼達は、必ずこの日本有数な『○○商事株式会社』に吸収合併され完全子会社化したその事実と、そしてそんな『ジャンヌダルク』的なヒロインであった越前屋朋美という存在感だった彼女の現在の位置、地位を把握し、且つ秘かに情報収集さえしているはずであり…
 いや、私が仮にその当事者であったならば、必ず現在の越前屋朋美という存在の現在の現状、現実、その背景を調べ、知っている筈なのだ。

 だから私は…
 そんな越前屋朋美という存在感を利用し、再び本社にピックアップし、私の未来の、いや、この先の戦力、懐刀的にするつもりなのである。

 逆に、そんなこちらの、彼女の現在について興味が無く、いや、無くし、知らないという事であるならば、既に未来の自身の希望を失くしているという事とも思え、そんな輩はこの先の戦力には全くならないであろう…
 という証明でもあり、それで線を引く材料に十分になると判断てきると思うのだ。



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