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シャイニーストッキング
第19章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一
 173 確信…

 わたしは一昨日の夜から…
 愛しい男である彼、大原浩一、そして本社である『○○商事株式会社』の本部長であり、出向しての『○△生命保険株式会社』の常務取締役となった彼の目が…
 わたしを見てくる目の変化に、いや、その目が変わった事を感じ、分かっていた。

 そして今朝…
 起き抜けの、男の人のひとつの生理現象である朝勃ちという流れからではあるが、いや、その流れからわたしを抱き、愛してくれた行為、つまりはセックスにより、その彼の変化を、間違いない変化を確信したのである。

 その彼の変化とは…
 わたしに対しての愛の、愛情の変化といえ、そしてその確信の思いは彼のわたしに対する愛情の変化の重さといえるのだ。

 それは彼の心の中にある愛の比重…
 つまりそれはわたしと、本社『コールセンター部』部長であり『○△生命』に於いての『新規事業』の準備室室長でもある、わたしにとって彼を巡る愛のライバルである『佐々木ゆかり』という存在との愛の天秤ともいえる秤の傾きの変化の事である。

 そしてその天秤の傾きの変化が、完全にわたしに一気に傾いたという確信の思い…
 つまりは彼の愛情の思いが完全にわたしに向いたという事実なのだ。


 なぜ確信できたのか?
 それは…
 彼の目が、今までにないほどに熱く、そしてわたしの心の奥の更に奥深くを覗いてくるかの様な熱い目に変わったからである。

 初めて彼と出会った頃は、わたしが
1で佐々木ゆかりが9…
 つまり1対9であった。

 それが初めて抱かれた夜に2対8となり…
『夢の国』に訪れた夜に抱かれた時には
3対7となり…
 横浜での夜には4対6に上がり…
 そしてついに彼女からの深夜の電話を衝動で切った夜に5対5のイーブンとなり…
 ついには一昨夜の夜、つまりは彼のマンションを訪れ、後に行き付けのカフェバーに連れて行ってもらった夜の射精未遂ではあったのだが抱かれた夜に、いや、その次の朝一の彼の目から6対4の逆転の比重の思いが伝わってきたのだ…
 そしてその朝一からの新潟出張の新幹線内での彼の目、会話によって、その天秤の比重の傾きの変化を確認したのである。
 
 そして今朝、完全にその思いは確信へと変わり、シャワーを浴びながらわたしは再認識をした…
 
『わたしは彼の愛情を佐々木ゆかりから奪い獲った』
 …のだと。

 
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