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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
45 8月4日月曜日午前7時30分
「大原本部長おはようございます、越前屋です」
携帯電話が掛かってきた。
「ああ、おはよう」
「今日の資産運用管理部との会議は10時からになります」
「ああそうか、私は9時前には行くから、少し打ち合わせするか…」
「はい、わかりました」
今、私はとりあえず、この越前屋朋美という総合職の女性社員を秘書代わりにお願いしているのだが、見た目の可愛らしさとは違い、理解力があり、想像力もあり、そして今まで男中心のこの旧態依然とした会社の中で干され続けていても腐らないでいた位に腹の据わった気持ちの強さが私は気に入っていたのである。
そして彼女は間違いなく、これから始めようと計画をしている新規事業の中心となる、佐々木ゆかり課長の片腕的存在になると思えていた。
とにかく彼女は面白い存在なのである。
それにまた彼女からのピックアップにより、他にも面白い女性社員が二人程現れたのだ。
そして一通り、各課、各部との会議の結果、この保険会社には彼女達が氷山の一角に過ぎないと思える様に、女性社員達の目が生き生きとしているのを感じているのであった。
これは今まで虐げられてきていた反動と、こうして私が会議中に常にこの越前屋を横に置いているという事で、今回の吸収合併の完全子会社化が逆に女性社員達にはチャンスなのだという相乗効果が現れている様に思えていたのである。
それに私は会議の冒頭に必ず、今回はリストラはしない、と発言しているのにも係わらず、私の会議中のメモ書きの様子をリストラ要員のピックアップだ、という噂までが湧き起こっており、逆に今まで温々とぬるま湯に浸かっていた男性社員達をネガティブな思考に陥れている様であったのだ。
それはそれで、そんな面白い現象を引き起こしており、今回のこの吸収合併完全子会社化をチャンスと見るか、ピンチと見ているのかという二極化の動きが私には見えているのである。
そしてこれは私とずっと同行している彼女、越前屋の目にも解るようになったらしく、こういった意味でも総合職としての彼女のこれからの存在が面白くもあり、楽しみにもなっていたのだ。
そして今日、いよいよこの保険会社を完全に傾けさせた元凶といえる常務派の温床である資産運用管理部との会議が始まる。
「大原本部長おはようございます、越前屋です」
携帯電話が掛かってきた。
「ああ、おはよう」
「今日の資産運用管理部との会議は10時からになります」
「ああそうか、私は9時前には行くから、少し打ち合わせするか…」
「はい、わかりました」
今、私はとりあえず、この越前屋朋美という総合職の女性社員を秘書代わりにお願いしているのだが、見た目の可愛らしさとは違い、理解力があり、想像力もあり、そして今まで男中心のこの旧態依然とした会社の中で干され続けていても腐らないでいた位に腹の据わった気持ちの強さが私は気に入っていたのである。
そして彼女は間違いなく、これから始めようと計画をしている新規事業の中心となる、佐々木ゆかり課長の片腕的存在になると思えていた。
とにかく彼女は面白い存在なのである。
それにまた彼女からのピックアップにより、他にも面白い女性社員が二人程現れたのだ。
そして一通り、各課、各部との会議の結果、この保険会社には彼女達が氷山の一角に過ぎないと思える様に、女性社員達の目が生き生きとしているのを感じているのであった。
これは今まで虐げられてきていた反動と、こうして私が会議中に常にこの越前屋を横に置いているという事で、今回の吸収合併の完全子会社化が逆に女性社員達にはチャンスなのだという相乗効果が現れている様に思えていたのである。
それに私は会議の冒頭に必ず、今回はリストラはしない、と発言しているのにも係わらず、私の会議中のメモ書きの様子をリストラ要員のピックアップだ、という噂までが湧き起こっており、逆に今まで温々とぬるま湯に浸かっていた男性社員達をネガティブな思考に陥れている様であったのだ。
それはそれで、そんな面白い現象を引き起こしており、今回のこの吸収合併完全子会社化をチャンスと見るか、ピンチと見ているのかという二極化の動きが私には見えているのである。
そしてこれは私とずっと同行している彼女、越前屋の目にも解るようになったらしく、こういった意味でも総合職としての彼女のこれからの存在が面白くもあり、楽しみにもなっていたのだ。
そして今日、いよいよこの保険会社を完全に傾けさせた元凶といえる常務派の温床である資産運用管理部との会議が始まる。